大分県(かぼす県)にいると言われる妖怪一覧

  • ウグメ

亡霊の怪。直入郡。子を抱いてくれという。それはたいてい、石塔や藁打の棒なのだという。

 

  • ウミボウズ

海の怪。海坊主。巨大で黒く、ぬるぬるしたものが海から出る。このときは話をしてはならないという。

 

  • カッパ

水の怪。河童。直入郡─真宗寺建立の際、竹田番匠が大工不足を補うため木の人形に息を吹き込んだ。これを元に戻して川に流したものが河童になった。玖珠郡─河童は概して水浴する二十代の女に魅入る。魅入られた女は淫乱になる。三月で一、二匹が生まれ、すぐ川に入って数十年生きる。雌河童に魅入られた男が交わって出来た子には水掻きがあり、これは一年もたたぬうちに死ぬ。日田郡─河童に魅入られた少年は他人から見ると、一人で荒れ狂っているように見えた。銘刀や調伏で元に戻った。

 

  • ガワタロ

水の怪。河太郎。河童のこと。玖珠郡ではガワタロは小さくて渋紙のような色をし、時々木に登るという。河太郎は処女を淫すること、たびたびであった。娘はいつとなく患い、健忘のようになって床に就き、死に至る。時々娘の所に来るが人には見えず、ただ病人が言語や喜笑するのでわかる。ミミズを干して灯心にし、油をそそいで点じ、その下に娘を座らせておけば河太郎は形を現すという。

 

  • カワノモノ

水の怪。川の者。玖珠郡で河童のこと。これに憑かれると病気になる。法者に行って治してもらう。法者は御幤で撫で、紙袋の中にそれを入れて焼く。

 

  • セコ

水の怪。河童が山に登ったものをいう。南海部郡大島(鶴見町)では、セコは六、七歳くらいの童子の形をし、頭は芥子坊主、日和の変わり目にカッカッと鳴いて群れをなして山へ登る。これに騙されて道に迷ったり怪我をしたりする。とくに焼餅を懐に入れて山へ行くとセコが欲しがるという。大野郡野津川町西神野の狩人もセコの存在を信じている。二、三歳の子供の姿で人真似をし、話し声がする。女や子供の手を引くなど悪戯をするが屋内には入ってこない。家や小屋をセコの通路に建てると揺さぶる。セコは鰯の頭を嫌うので「鰯をやるぞ」というと障さわりをしないという。

 

  • テングツブテ

山の怪。天狗礫。杵築。雉子を撃ちに山へ入った者たちが山道にかかると、左右から石が飛んできた。心得た者が人々を地面に座らせると、大石が頭上を飛びかった。これに当たると必ず病むといい、また、この日は猟はないという。

 

  • ミイレ

水の怪。直入郡でいう。井戸や川の水面を見ながら笑うとミイレに憑かれるという。

 

  • ヤマセコ

水の怪。玖珠郡でいう。ガータロは秋の彼岸になるとヤマセコになるという。村人は川が澄んでくるとガータロが山に登ったと囁あうという。春の彼岸にはまた川に下ってガータロになる。ガータロはおもに人間に憑き、ヤマセコはおもに牛馬に憑くという。

 

  • ヨコヅチ

山の怪。ツチノコのこと。コロヘビともいう。